「張込み刑事の孤独」の巻

時が過ぎるのは、あっと言う間だ.
赴任数カ月を経て、未だにホシの影さえ見えない.
ベテラン刑事ゲロリンとは言えども、人の子、、もとい両生類の子である.
焦りと不安が、彼の胸を締め付ける事もあるのだ.

そんな時、刑事ゲロリンは、海を見に行く.
橋の向こうのそのまた向こう、はるかな故郷リョーセイルイランドでの
子供時代の思い出が、彼を和ませる.

そー言えば、あいつ元気しとるやろか?
何てゆーたかなぁ、、、、あ、思い出したで!
「ゲロツキー」や! カラスに食われてへんやろか?
ガキの頃は、二匹で野山を駆け巡り、、、いや、沼を泳ぎ回ったモンやで
二匹とも、まだ手もアシも生えてへん、オタマジャクシやったさかいな〜.
毎日が冒険やったで〜.

流れ行く雲の形に、懐かしい幼馴染みの顔が見えた様な気がした.

めげるな、刑事ゲロリン! 自分を信じて捜査を続ければ、
きっとホシをその手に掴む事ができよう.


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Authored by Kei and Hisashi Nakahara 1999